2020.04.13 法律コラム

退職金の財産分与をしたときにもらえる金額と時期を解説

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夫婦が離婚するときは、共有財産を分配するための財産分与が行われます。財産分与には、現金や預貯金だけでなく、マイホームや車、株など様々な資産が含まれますが、配偶者の退職金も対象です。

ただし、退職金の財産分与は、配偶者に給付されるタイミングによってもらう時期が異なります。さらに、手続き期間を過ぎてしまうと請求できなくなるおそれもあります。離婚成立時に、少しでも多くの財産をもらうために、事前に準備をしておきましょう。

1.財産分与の対象になる退職金

退職金の財産分与ができるのは、配偶者が会社に勤続していた期間のうち、婚姻期間中に発生した分が対象です。結婚前や離婚後に発生した退職金は、財産分与の対象にはなりません。

そのため、退職金の財産分与をする場合、婚姻期間中に発生した退職金がいくらになるのかを算出する必要があります。

退職金の算出方法は、いくつかあります。たとえば、離婚が成立した時点で、配偶者が会社を退職した場合に給付される退職金から、婚姻前に発生していた退職金を差し引いた金額を基に算出する方法。また、将来に給付された退職金から婚姻期間中に発生した金額を算出する方法などです。

ただし、退職金の財産分与は、配偶者が勤務している会社の規定や、勤続年数などによって、有利に進める算出方法が異なります。財産分与を少しでも良い条件で行いたい場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

■すでに支払われた退職金も財産分与の請求ができる

退職金の財産分与は、退職金がすでに給付された後であっても請求ができます。退職金が、すでに給付された場合でも、財産分与ができるのは婚姻期間中に発生した分のみです。たとえば、配偶者が30年働いた会社を定年退職して退職金をうけとった場合、勤続年数30年のうち、婚姻期間が15年あったとすると、退職金の半分が財産分与の対象となります。

なお、退職金を使い別の資産に変えていた場合は、退職金ではなく、その資産の評価額で財産分与を行います。

そのため、すでに給付された退職金を財産分与する場合、現金だけでなく退職金で購入した資産についても調べておく必要があります。

2.財産分与した退職金を受け取るまでの時期

財産分与した退職金は、すでに給付されているか否かで受け取るまでの期間が異なります。たとえば、退職金が給付された後であれば、手元に現金があるので、財産分与に関して配偶者の合意が得られれば受け取ることができます。

一方で、配偶者が在職中の場合は、退職金を財産分与することに合意が得られていても、実際に退職金が給付されるまで受け取ることができません。そのため、退職金を財産分与する場合は、他の資産よりもうけとるまでに時間がかかることがあります。

■財産分与する退職金に相当する金額を先にうけとることもできる

配偶者が会社に在職中であっても、退職金の財産分与に相当する資産を持っていれば、離婚成立時に、その資産を使って清算することができます。そのため、配偶者が条件に合意すれば、退職金が給付されるまで待つ必要がありません。

配偶者の退職金が給付されるまでに時間がかかる場合は、退職金の財産分与に相当する額を清算するための共有財産を事前に調査しておきましょう。

3.退職金を財産分与するための手続き

退職金の財産分与の割合や受け取り方法などの条件は、夫婦でお互いに話し合い、合意が得られれば決まります。財産分与の割合は、一般的には夫婦で2分の1と言われています。しかし、明確な基準がないため、話し合いの進め方次第では、金額が少なくなることも少なくありません。そのため、事前の準備が大切です。

■退職金がもらえることを確認する

退職金を財産分与するには、配偶者がどれくらいの退職金をもらえるのかを知らなければいけません。ただし、配偶者が勤めている会社の退職金の有無は、就業規則や雇用契約書などの書類で確認できますが、金額まで把握するのは難しいことがあります。企業によっては、現金としての退職金だけでなく、年金や保険などの積立が含まれている場合があるからです。

配偶者の退職金は、弁護士に依頼して弁護士会照会をすることで金額の証明をすることができることがあります。弁護士会照会とは、弁護士が依頼を受けた事件に関する情報の収集や調査をするための法律上の制度です。

弁護士会照会を受けた企業は、強制ではありませんが回答する義務があるため、退職金に関しても、詳細な情報を調査できるのでより正確な金額を把握できます。

2.退職金の財産分与の割合を決める

退職金の財産分与の金額は、夫婦の話し合いで決めます。割合は一般的に2分の1ですが、明確な決まりはありません。そのため、退職金に対して2分の1以上の貢献度があることが証明できれば、より多くの割合で財産分与することができます。

退職金の財産分与の割合は、夫婦の合意が得られれば決定します。しかし、話し合いの中でお互いの合意が得られない場合は、離婚調停に発展します。さらに、離婚調停でも合意が得られない場合は、離婚裁判を提起することになりますが、離婚裁判には明確な離婚理由が必要になります。そのため、財産分与の合意が得られないだけでは裁判離婚が認められないことがあります。

離婚調停や離婚裁判については、「離婚したい人は離婚に必要な知識を確認しておく」のコラム記事をご確認ください。

4.退職金を財産分与するときに注意したいこと

退職金の財産分与は、配偶者の合意を得られたからといっても確実にもらえるとは限りません。なぜなら、配偶者が勤めている会社の業績悪化や倒産した場合、退職しても退職金が無くなることがあるからです。

また、財産分与は、退職金に限らず、離婚成立から2年後までに配偶者に請求しないと時効になります。離婚成立から2年以上経過してから配偶者に財産分与を請求してもうけとれないので注意しましょう。

■退職金の財産分与の条件を決めたら公正証書で残しておく

退職金の財産分与は、受け取りまでに年単位の時間がかかることがあります。そのため、退職金が給付されたときに、配偶者が言い逃れや条件を忘れないように、財産分与の条件や合意を得られたことを公正証書に残しておきましょう。公正証書とは、公証役場で作成された契約証書のことです。相手が約束を守らなかったときに、強制執行を行うことができるため、裁判を行わなくても、財産を差し押さえて回収することができます。

財産分与の条件は、紙などに残しておくと思いますが、仮に相手が条件を守らなかったとしても、相手に催促する以外方法がありません。そこで、公正証書にしておくことで回収がしやすくなります。

5.退職金の財産分与は弁護士に相談してみる

離婚する際に退職金の財産分与の準備をしておくことは大切ですが、退職金制度は、企業によって様々です。そのため、配偶者の退職金を財産分与したときの金額を算出する方法を間違えてしまうと、金額が少なくなってしまうおそれもあります。退職金の財産分与について自信のない人は、弁護士に相談してみましょう。弁護士に相談することで、退職金だけでなく、財産分与全体についてのアドバイスが受けられます。

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