公開日:2018.07.20 最終更新日:2019.01.04 法律コラム

遺言書の作成を弁護士に依頼する前に知っておきたいこと

お困りの方は、お気軽にご相談ください。

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自分の財産の相続方法を指定するために遺言書の作成を考えている方は、相続問題に詳しい弁護士にご相談してみてはいかがでしょうか。
遺言書自体は、自分一人で作成することができます。
しかし、弁護士と相談しながら作成することでより確実な遺言書が完成し、スムーズに遺産分割ができるようになります。
ここでは、遺言書の作成を弁護士に依頼するメリットと費用、弁護士に依頼した後の流れについてご紹介します。

1.遺言書の作成を弁護士に依頼するメリット

自分で作成できる遺言書を、あえて弁護士に作成を依頼すると、次のようなメリットがあります。

(1)遺言書の無効化を防ぐ

被相続人が亡くなり遺言書が見つかった場合は、開封せずに家庭裁判所に提出して検認の申し立てを行います。
内容に不備があると遺言書が無効と判断され、被相続人が希望するような遺産分割が行われなくなる可能性があります。
相続に詳しい弁護士に作成すれば、検認で遺言書が無効と判断されるリスクを最小限に防ぐことができます。

(2)遺言内容を相談しながら決められる

相続に詳しい弁護士は、それまでに培った経験や知識をもとに遺言の形式や内容について具体的にアドバイスすることができます。
正式な遺言書として法的効力を持たせたい場合は、弁護士という専門家に相談しながら進めた方が相続人も被相続人も安心です。

(3)相続人間の争いやトラブルを防ぐ

弁護士に相談しながら作成した遺言書の方が、第三者の意見を聞きながら作成できるので、相続人同士の争いやトラブルを回避することにもつながります。

(4)スムーズに遺言が執行される

検認を経て正式な遺言書と認められれば、相続人にとってスムーズな遺言執行ができます。
被相続人にとっても希望通りの遺言が執行されて両者ともに納得のいく遺産分割が可能となります。

2.弁護士と一緒に遺言書を作成するべきケース

次の項目に該当する方は、相続人同士のトラブルを防ぐためにも、弁護士と一緒に遺言書を作成することをおすすめします。

(1)法定遺産分割とは異なる相続の方法を望んでいる場合

法定遺産分割とは、財産の分割割合を法律で定めたものです。
遺留分を侵害しない限り、遺言書で指定した被相続人の意向が考慮されるので、財産の配分を自分で決めたいときは、弁護士と相談しながら遺言でその旨を書き残しておく必要があります。

(2)自社の株式や事業を相続させたい場合

経営者や自社の株式を保有していて、法定相続人に相続させたい場合は遺言書で後継者を指定すれば、事業の継承がスムーズに進みます。

(3)相続人同士が不仲の場合

相続人同士が不仲で顔を合わせる機会がない、あるいはトラブルになる可能性が高い場合も、弁護士に遺言書の作成を依頼するべきです。
弁護士が介入し、スムーズな遺産分割を進めることが可能になります。

(4)管理しきれていない相続財産がある場合

自らで管理しきれていない相続財産があれば、弁護士と相談しながら財産の処分方法または分配方法を決めると良いでしょう。

(5)相続人に非嫡出子がいる場合

相続人の中に嫡出子がいる場合、嫡出子と相続争いが起こる可能性があります。
弁護士と相談しながら相続人にとって公平となる遺言書を作成した方が、嫡出子と非嫡出子同士のトラブルを防ぐこともできます。

3.弁護士に依頼した場合の費用は?

遺言書の作成を弁護士に依頼した場合の一般的な費用と新小岩法律事務所での費用をご紹介します。

(1)遺言書作成費用の一般的な相場

一般的な相場は10~20万円程度です。これに相談料、着手金、手数料、実費などが発生します。
なお、遺言書の内容次第ではこれより高額になるケースもあります。

(2)新小岩法律事務所の場合

一般的なケースであれば「遺言書作成サービス(10万円(税別))」をご利用いただけます。相続トラブルを回避するために、遺言書作成の際には入念な打ち合わせを行います。
まずは相続に関する相談(初回無料、2回目以降は30分5000円(税別))をご利用ください。

4.弁護士に依頼した場合の遺言書作成の流れ

(1)ご自身で財産、負債を把握する

まずは、ご自身の預貯金や不動産などの相続財産、借金や税金などの負債を把握しておきます。
相続財産は、金銭や不動産だけでなく、株券、美術品など財産的に価値のあるものや、借入金、保証債務、未払いの税金なども相続の対象となります。思い当たるものはすべてリストアップしておくと良いでしょう。

(2)弁護士による財産、負債の調査

弁護士に遺言書の作成を依頼した場合、弁護士も依頼者の財産と負債を調べます。
相続財産に漏れがあると、相続人同士のトラブルの原因になるためです。
不動産や貴金属など資産価値が不明確な財産も金銭に換算した上で相続財産を把握します。

(3)相続人の調査

原則として、被相続人の配偶者、子、父母などの「法定相続人」が相続します。
ただし、遺言書で法定相続人以外の相続人を指定している場合は、その内容が優先されます。
被相続人が前の結婚の際に子どもをもうけていたり、家族に内密で認知した子どもがいるケースもあるため、被相続人の最後の戸籍謄本を取得し、相続人を調査した上で遺産分割協議を始めます。

(4)遺言書の下書きの作成

相続財産と相続人が確定したら、遺言書の下書きに取り掛かります。
誰に、どの財産を、どれくらい相続させたいかなどを弁護士と話し合いながら決めます。
弁護士は被相続人の意思を尊重しながらも、遺留分の侵害がないか、内容に不備がないかをチェックするので、法的に有効な遺言書の作成ができます。

(5)遺言書の形式の決定

遺言書には次の3種類があります。

①自筆証書遺言

自ら手紙で遺言内容を記述する遺言書です。
15歳以上ならだれでも、いつでも作成が可能ですが、正式な遺言として認められるには、いくつかの条件を満たさなければならず、書き間違いや不備が原因で無効となるケースも多く見られます。

②公正証書遺言

公証役場で証人2人以上の立ち合いのもと、被相続人が遺言内容を公証人に口述するかたちで遺言書を作成します。
手続きに費用はかかりますが、家庭裁判所による検認手続きが不要で、遺言書の原本は公証役場に保管されるので、自筆証書遺言のように、偽造・変造の心配がありません。

③秘密証書遺言

遺言の内容を第三者に代筆してもらい、封緘して公証役場へ持参した後、しかるべき人に保管を依頼する秘密証書遺言は、遺言の内容を代筆した人以外に知られることがない点でメリットがありますが、実務ではあまり利用されていないのが現実です。

いずれかの方法で遺言を残すか、弁護士と話し合って決めていきます。

まとめ

遺言書は、被相続人の意思をできるだけ尊重し、相続人同士の争いを回避して円満に相続ができるように作成したいものです。
何かあってからでは間に合わないので早めの準備が安心です。
新小岩法律事務所の「遺言書作成パック」で正式な遺言書を作成できます。まずはお気軽にご相談ください。