公開日:2018.06.19 最終更新日:2020.06.12 離婚

離婚したいけど、生活が心配。養育費はどれぐらいもらえるの?

お困りの方は、お気軽にご相談ください。

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離婚を考えている女性にとって、いちばん頭を悩ますのが、離婚後の生活費、とくにお子さんにかかる費用ではないでしょうか。
子どもを引き取りたいけれど、学費や生活費など経済的な面で不安があってなかなか離婚に踏み込めない。
そう悩んでいる方も多いようです。
そこで、ここでは養育費についてご説明していきます。

1.養育費はだれでももらえるの?

養育費は、未成年の子どもを育てるためにあてる費用のことです。お子さんを養育する義務は父、母双方に生じます。これは、子どもの両親が離婚したからといって消滅するものではなく、子どもが成年するまで継続して責任を負うことになります。

子どもの両親が離婚した場合、離れて暮らしている方が、子どもと同居し監護する側に、養育費として一定の金額を定期的に支払うことになります。

養育費は、子どもの扶養義務を負う者に対して支払いの義務を認めたものであるため、必ずしも元夫婦である必要はなく、血縁者に限定されるものでもありません。

2.養育費をもらうためにはどうしたらいいの?

養育費をもらうためには、離婚する際に子どもの人数などに応じて、養育費の金額を決定します。
離婚の際に決められた養育費の支払い義務は、離婚後すぐに発生し、子どもが成年するまで続きます。

ただし、離婚時に養育費の金額を話し合わなかった場合や、夫の収入が少なく、養育費を払えないとした場合でも、離婚した後の状況の変化に応じて養育費の支払いを求めたり、金額を見直すことは可能です。

その場合は、双方の話し合い、または養育費調停を利用して決定します。

3.養育費はどれぐらいもらえるの?

(1)一般的な算出方法

養育費の金額は、家庭裁判所が採用している「養育費算定表」に基づいて決められます。
養育費を決める基準になるのは、妻が子どもの監護をおこなう場合、夫(義務者)の収入と、妻(権利者)の収入、それぞれの収入が給与所得か自営業か、子どもの人数、子どもの年齢(14歳までと15歳以上で区分される)です。

子どもの年齢によって養育費の金額が変わるのは、子どもにかかる学費等を考慮しているためです。

例をあげますと、夫の給料が550万円、妻の給料が150万円の場合、14歳以下の子どもが一人であれば、養育費は4~6万円です。
夫の給料が700万円の場合は、養育費は6~8万円になります。

子どもが15歳以上になると、夫の給料が550万円の場合は6~8万円、夫の給料が700万円の場合は8~10万円になります。

子どもが大きくなるにつれて、夫の収入も上がることが想定されますので、その時の状況に合わせて金額を見直すように、申し立てするのもいいでしょう。

逆に、夫が転職や失業などにより、給料が大幅に減額、あるいは無収入になることもあります。
その場合でも、突然勝手に養育費を減額するのではなく、家庭裁判所に調停を申し立てることが必要になります。
妻側の状況も踏まえて、養育費の金額の見直しがおこなわれます。

(2)話し合いにより金額を決めることもできる

養育費の金額は、夫婦の話し合いにより決定することも可能です。
夫婦それぞれの希望や、給料以外の資産状況、その他の事情等により、養育費の額を多くすることも可能です。
ただし、一旦決めた金額を途中で変更する場合は、家庭裁判所の調停が必要になるケースもありますので、無理なく継続できる金額にするのが妥当です。

また、子どもを監護する妻が、元夫からの金銭的支援を受けることを拒否するケースもありますが、養育費はあくまでも子どもを安全かつ健全に育てていくための資金であることを踏まえると、一時の感情に基づいて決めてしまわずに、冷静に判断することが大切です。

4.養育費がもらえなくなるケースもあるの?

養育費は未成年の子どもの監護にあてるお金であるため、その必要がなくなった場合は、養育費をもらうことができなくなります。

たとえば、子どもが成人した場合、あるいは、高校卒業後に就職し、自立して生計をまかなえるようになった場合は、養育費の支払い義務が消滅します。

また、妻が別の男性と再婚し、再婚相手が子どもと養子縁組をした場合、再婚相手に子どもの扶養義務が生じますので、前夫は養育費の支払い義務がなくなります。

さきほども触れましたが、元夫側の状況が変化する場合もあります。この場合は、家庭裁判所を通じて、養育費の減額が求められることもありますので、話し合いに応じながら、養育費の金額の見直しを行いましょう。

5.養育費が支払われない場合は、どうすればいい?

養育費は長い年月をかけて、継続して払い続けるものなので、途中で支払いがストップしてしまうことが少なからず起こります。
その場合の対処方法については、離婚時または養育費の話し合いをしたときの状況によって異なります。

(1)調停による離婚の場合

調停による離婚の場合は、養育費の支払いについても強制力があります。調停証書をもって相手の給料を差し押さえることが可能です。
ただし、支払いが数日遅れただけですぐに強制執行というのではなく、まずは相手に直接連絡をし、養育費の支払いを求めます。一定の日数が経過しても相手が応じないようであれば差し押さえを行うのが妥当です。

(2)協議離婚で、公正証書がある場合

協議による離婚で、養育費について公正証書を残している場合は、調停による離婚の場合と同様に、公正証書による差し押さえが可能です。
この場合も、まずは相手に直接、養育費の支払いを求め、それに応じない場合に強制手段をとることになります。

(3)協議離婚で、公正証書がない場合

協議による離婚で、養育費について公正証書がない場合は、まずは、養育費調停を申し立て、裁判所で養育費の取り決めをおこなう必要があります。調停のうえ、養育費の金額が決定すれば、調停離婚の場合と同様に、強制力が生じます。

また、離婚から一定の時間が経過しているため、元夫が家庭裁判所に出廷しないなど、調停に応じないことも考えられます。
その場合は、裁判所が審判で養育費の金額を決定し、審判書を発行します。これにより、強制力が発生するため、相手の給料等の差し押さえが可能になります。

まとめ

養育費は子どもが安全かつ健全に生活するために必要な金銭ですので、法的な効力を持たせるためにも、調停あるいは公正証書にすることが得策です。
一方で、金銭的な話し合いが折り合わずに、なかなか離婚の合意に至らないケースもあります。
その場合は、まずは弁護士に相談してください。
あとあと不利な状況になって苦しむことになるとたいへんですので、離婚を考えている場合は、早めに無料相談をご利用ください。