公開日:2021.04.19 最終更新日:2021.04.21 離婚

協議離婚の成立には証人が必ず必要になる

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離婚届には、証人の欄があり、記入せずに役所に提出しても受理されません。

しかし、証人は、どのような人に依頼すればよいのか。証人になった人は何か問題があったときに責任を問われるのかなど疑問も多いかと思います。

証人を依頼できそうな人が見つかったとしても、どのような役割や責任があるのかをきちんと説明できなければ、断れてしまうことがあるかもしれません。また、条件を満たさない人に証人を依頼してしまうと、離婚届が受理されないので確認が必要です。

そのため、ここでは、離婚の証人について解説していきます。

1.協議離婚では証人が必ず必要になる

証人は、協議離婚を成立させるために必ず必要です。

協議離婚は、夫婦が離婚に合意をした後、離婚届を役所に提出し、受理されることで成立します。離婚届には証人が署名捺印を記入する欄があり、ここが空白だと受理されません。

協議離婚で証人が必要になる理由は、夫婦のどちらか一方が離婚に合意していないのに、離婚届を役所に提出されてしまい受理されるのを防ぐためです。

証人がいることで、夫婦が合意をして離婚するという事実が虚偽でないことを、夫婦以外の立場から確認できるのです。

なお、離婚には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4種類がありますが、証人が必要になるのは、「協議離婚」だけです。他の3種類は、証人の欄が空白でも受理されます。

2.証人になるための条件

証人は、離婚する夫婦以外の人で、かつ年齢が20歳以上であれば、誰でもなれます。

親族だけでなく、友人や職場の同僚でも証人になることは可能です。外国籍の人でも証人になれますが、日本国内に住民登録しているなどの条件が定められていることがあるため、離婚届へ記入する前にお住まいの地域を管轄する役所へ確認したほうがよいでしょう。

(1)証人は2人必要

離婚届の提出にあたっては、2人の証人から、離婚届へ記入してもらう必要があります。証人がどちらも同じ住所に住んでいても、同じ姓でも問題ありません。

また、証人は、夫婦がお互いに1人ずつ選ぶ必要もないため、たとえば、夫婦のどちらか一方の両親2人が証人になることも可能です。

3.証人が離婚届へ記入する内容

証人を依頼された人は、離婚届へ下記の項目を記入します。

  • 署名(氏名)
  • 押印
  • 生年月日
  • 住所
  • 本籍

証人の欄には、本籍の記入が必要です。離婚届の提出後、証人の本籍地が違っていると受理されないおそれがあります。本籍地があやふやな場合、住民票などで確認しておくと安心です。

また、捺印に使う印鑑は、シャチハタなど、スタンプ式の印鑑を捺印に使った場合は、離婚届が受理されないので注意が必要です。朱肉を使うものであれば、三文判であっても離婚届は受理されます。ただし、証人の姓が同じ場合、印鑑はそれぞれ別のもので捺印してください。同じ印鑑で捺印した場合、離婚届けが受理されません。

記入には、ボールペンや万年筆などを使いますが、消えるインクを使ったボールペンは使用不可になります。証人に記入してもらう場合、当事者が筆記用具を用意したほうが確実でしょう。

記入時に間違ってしまった場合は、修正液や修正テープなどは使わず、二重線で文字を消し、訂正印を押してから正しい情報を記入してください。

証人の欄に不備があった場合、証人になってもらった人に再度記入を依頼しなければいけません。そのため、記入時によく確認をしておきましょう。

4.離婚届の証人になってもリスクはほとんど無い

証人になった場合のリスクは、ほとんどありません。離婚の証人は、夫婦が離婚に合意していることを確認する役割があるだけで、離婚についての責任を負うわけではないからです。

離婚をした後に、当事者の行方が分からなくなった、養育費の支払いが滞ったなど、何か問題が発生した場合でも、証人になんらかの責任を問われることはありません。

ただし、夫婦のどちらか一方が離婚に合意していないことを知りながら証人になった場合、虚偽の離婚届の証人になったとして責任を問われるおそれがあります。そのため、証人は、夫婦がお互いに離婚に合意をしている状態で依頼しましょう。

なお、夫婦のどちらか一方が離婚に合意していないことを知らずに証人になった場合は、責任を問われることはありません。

(1)証人になった情報が漏れることはない

離婚届は、役所で受理された後にどこかに公開されることはありません。証人になった情報を知ることができるのは、離婚をする当事者と役所の担当者だけです。

そのため、証人になったことが、離婚届が受理されたあとで、周囲に知られることはありません。

5.証人は離婚届証人代行でも用意できる

離婚届の証人には、法的な拘束力はないため、夫婦が離婚に合意していれば責任に問われることはありません。しかし、証人についてよく分からない人に依頼をすると、借金の保証人などと混同されてしまい、断れるケースがあるかもしれません。

証人を依頼できる人が見つからない場合は、離婚届証人代行の利用を検討してみましょう。離婚届証人代行は、離婚届の証人の欄を記入してくれるサービスです。料金の相場は、証人2人で5,000円ほどです。証人1人だけの依頼も可能です。

行政書士や弁護士の事務所がサービスを行っていることが多いですが、インターネットで検索すると専門の業者も複数見つかります。住んでいる地域から遠くであっても郵送などで手続きができるため確認してみましょう。

離婚届証人代行を利用すれば、離婚することが証人を依頼した人から漏れるという心配がないため、離婚することを親族や知人に知られたくない人にとっても便利なサービスです。

(1)証人の欄を代筆することは犯罪行為になる

離婚届の証人の欄を夫婦のどちらかが代筆することは、犯罪行為になるため、絶対にやめましょう。証人の欄を代筆した場合、私文書偽造(刑法159条条1項)、および偽造私文書行使罪(刑法161条1項)として罰せられます。

また、配偶者が離婚に合意していないのに、離婚届を代筆して提出した場合、損害賠償請求をうけるおそれもあります。

そのため、証人は必ず条件を満たした人に依頼してください。

6.証人について分からないことは弁護士に相談する

「証人を依頼できる人が見つからない」「離婚することを周囲に知られたくない」という人は、弁護士に相談してみましょう。弁護士事務所によっては、離婚届の証人を代行してもらえることがあります。

また、弁護士事務所によっては、無料相談を行っているため、協議離婚が成立する前に、財産分与や養育費などの条件を無料で確認しておくこともできます。もし、相場よりも不利な条件だった場合、弁護士に相談することで良い条件で離婚することができるかもしれません。

なお、新小岩法律事務所では、弁護士による無料相談も行っております。平日20:00開始の予約制ですので、ぜひご利用ください。

当事務所は新小岩駅南口徒歩1分の場所にあります。小岩、新小岩、平井、亀戸、錦糸町など、総武線沿線の地域にお住まいの方は、仕事帰りにご活用ください。上記の地域だけでなく市川、船橋や松戸の方からもご相談をいただいております。

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