2020.05.12 法律コラム

自己破産後の生活で変わらないことと変わること

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自己破産で借金が免除されると、債権者からの取り立てがなくなるため、生活を立て直すことに集中できます。しかし、自己破産には、借金が免除されることだけでなく、もちろんその後の生活で制限される部分もあります。そのため、自己破産前と同じように生活するということが難しい場合もあるでしょう。

ここでは、自己破産をすることで、生活にどのような変化があるのかを解説します。

1.自己破産後も変わらずできること

(1)仕事は今まで通り続けられる

一般的な企業で働いている人であれば、自己破産した後も同じ会社で働き続けられます。自己破産をするときは、裁判所や債権者とのやり取りを、自己破産をする人か弁護士で行うため、勤めている会社が把握できないからです。

また、自己破産をした人の名前と住所は、政府が発行する機関紙である「官報」に掲載されますが、購読している人は限られるので、会社に知られる確率はかなり低いでしょう。

万が一、自己破産をしたことが会社に知られてしまっても、それが理由で解雇処分が下されることはありません。労働契約法という法律で、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定められているからです。

自己破産をしたことが会社の業務に影響を与えていなければ、会社は自己破産という理由だけで従業員を解雇処分にできないのです。もし、自己破産が原因で会社を解雇された場合、不当解雇に該当するため、裁判所に解雇取消しを請求できます。

そのため、自己破産をした後は、今まで通り仕事に専念して、生活を立て直すことに集中できます。

■会社の貸付制度を利用していると自己破産したことが知られる

従業員貸付制度など、会社が行っている貸付制度を利用中に自己破産をした人は、会社に自己破産をしたことが知られてしまいます。なぜなら、自己破産手続では、裁判所に債権者一覧を提出した後、裁判所は全ての債権者へ自己破産手続が開始されたことを伝えるからです。

会社の貸付制度を利用していれば、会社も債権者になるため、他の債権者と同様、裁判所からの連絡を受けます。自己破産では、債権者を全て平等に扱うため、会社の借金だけは、返済するということはできません。そのため、会社の貸付制度を利用している人は、自己破産をすると会社に知られてしまうことは覚悟しておきましょう。

(2)年金もそのまま受給できる

年金の受給資格や受給額は、自己破産の影響は受けません。国民年金や厚生年金など公的年金を受給している人は、自己破産後も変わらず受給が継続されます。また、確定拠出年金や確定給付年金などの企業年金も、自己破産後に受給資格や受給金額が変わることはありません。

さらに、公的年金や企業年金を今後受給する人も、払い込みの途中で自己破産をしたからといって年金の受け取り年齢になったときに受給額が減らされることはありません。

ただし、生命保険などの個人年金は、資産となるため、差し押さえの対象です。個人年金は、自己破産手続きの途中で換価され債権者に分配されるため、自己破産後は受給できなくなります。

(3)スマホや携帯電話もそのまま使える

自己破産前に契約していた携帯電話やスマートフォンは、利用料金の延滞がなく本体代金も完済していれば、自己破産後も使い続けることができます。自己破産のときに本体の没収や契約を強制解約されることはありません。

ただし、本体代金に残債や利用料金の延滞がある状態で自己破産をすると、利用できなくなる確率が高いです。他の債務と一緒に免除されることで、通信キャリアから強制解約される場合があるからです。自己破産後に通信キャリアから強制解約をされた場合、他社通信キャリアで新規契約することで、携帯電話やスマートフォンを利用することができます。

(4)賃貸住宅であれば自己破産後も住み続けられる

賃貸住宅に住んでいる人が自己破産をしても、賃貸契約を解除されることはありません。自己破産後も家賃を毎月払えるなら、同じ建物に住み続けることができます。また、自己破産したことは、管理会社や大家に報告する義務はないですが、知られた場合でも、賃貸契約を強制解約されることはありません。

ただし、家賃を滞納している状態で自己破産をすると、他の債務同様に免除されます。その結果、債務不履行となり、賃貸契約を強制解約されてしまい住み続けることができなくなるおそれがあります。

(5)取り立てが無くなるわけではない

自己破産後の取り立ては、破産法275条によって禁止されています。これを破ると罰則があるため、消費者金融や銀行は、自己破産をした人への取り立てを行うことはありません。

しかし、個人から借りたお金については、貸した人に法律の知識がなければ、自己破産後も返済の催促がくることがあります。

また、自己破産で免除された借金の中には、連帯保証人を付けている場合があります。自己破産をすると連帯保証人に返済債務が移るため、保証人から借金に関する連絡が来ることも考えられます。

自己破産をして免除された借金は、返済する義務がないので取り立てがあった場合でも対応する必要はありません。取り立ての頻度が増えたり、内容がエスカレートしたりする場合には早めに弁護士に相談しましょう。

2.自己破産後に変わってしまうこと

自己破産をすれば、借金を免除してもらえますが、その反面、価値のある資産は没収されてしまいます。また、借金の免除は、借りたお金を完済できなかったということになるため、社会的な信用が無くなってしまいます。そのため、自己破産前と比較すると生活が制限されることがあるため確認しておきましょう。

(1)自己破産後は収入の範囲内で生活する

自己破産後は、毎月の収入以上のお金を使うことができなくなります。ローンやクレジットカードなどの信用取引が使えなくなるからです。自己破産をすると、個人信用情報機関に金融事故情報が登録されます。

個人信用情報機関とは、個人の借り入れや返済状況などの情報を管理している機関です。クレジットカード会社や消費者金融、銀行は、ローンやクレジットカード発行の申し込みがあると、審査の過程で申込者の信用情報を確認します。その際、金融事故情報があると、過去に返済にトラブルがあったとして、審査に通過できない確率が高くなります。

金融事故情報の登録期間は、一般的に5年~10年と言われています。その間は、いわゆるブラックリストに載った状態となり、お金を借りることができません。そのため、自己破産をした後は、収入以上のお金を使うことができなくなります。

ただし、自己破産により、個人信用情報機関に事故情報が登録されるのは、自己破産をした人だけです。配偶者や子供は、登録されないため、ローンを組むことやクレジットカードの発行をすることはできます。

そのため、子供の奨学金を組むことや、配偶者が乗用車を購入するためにカーローンを組むことはできます。

(2)持ち家に住んでいる人は賃貸住宅へ引っ越す

自己破産前に、持ち家に住んでいた人は、自己破産後に住む場所を変えなければいけません。自己破産をするときには、一定の価値がある資産は全て処分されてしまうため、資産価値の大きい持ち家は、自己破産後に手元に残すことができないからです。

賃貸住宅は、自己破産をしていても契約できます。また、賃貸住宅に入居する際は、審査が必要になりますが、自己破産をしたことを申請する必要はありません。

なお、自己破産後も持ち家に住み続けたいという人は、リースバックの利用を検討しましょう。リースバックとは、自己破産の際に一度売却した持ち家を、購入した業者などと賃貸契約を結ぶことで、賃貸住宅として住むことができる制度です。

今住んでいる持ち家をリースバックできるかは、自己破産手続を開始する前に、弁護士に相談してみましょう。

(3)自動車が無くなる

自己破産前に所持していた自動車は、ローンの返済が終わっている場合でも、自己破産後に手元に残せる可能性が低いです。自己破産をすると、一定以上の資産は全て換価され債権者に分配されますが、資産価値の高い自動車は、その対象になりやすいからです。

ただし、所持している自動車のローンが無く、さらに資産価値が20万円以下だった場合は自己破産後も手元に残しておける可能性があります。また、自動車の名義が配偶者や子などの家族であれば、資産価値に関係なく自己破産後も所持し続けることが可能です。

なお、自己破産後はカーローンなどを組むことはできませんが、現金であれば、自動車を購入することができます。

3.自己破産後に生活資金に困ったら公的な助成金を利用する

自己破産後に、生活資金に困ったら自治体が行っている緊急小口資金を利用しましょう。緊急小口資金とは、一時的に生活費用に困った場合、社会福祉協議会からお金を借りられる制度です。10万円を上限とした金額が無利子で借りられます。

貸付条件は、住んでいる地域の社会福祉協議会によって異なることがあるので、ホームページ等で確認しておきましょう。

なお、自己破産後は、官報などの掲載情報を使って、闇金業者から融資の連絡がくることがあります。闇金業者を利用すれば、法外な金利や取り立てに遭い自己破産後の生活を立て直すことが困難になるため、絶対に断りましょう。

4.自己破産後の生活に困ったら弁護士に相談する

自己破産をすれば借金が免除されますが、一定額以上の資産が没収や、クレジットカードやローンなどの信用取引が一定期間できなくなるため、今までと同じように生活するというのは難しいと思います。そのため、自己破産をする前には、一度弁護士に相談しておくことで、自己破産後の生活を明確になるため生活の立て直しがしやすくなります。

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