公開日:2020.03.22 最終更新日:2020.06.11 離婚

離婚後の生活に必要な資金を相手に請求するための方法

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離婚成立後の新しい生活をスタートさせるためには、多くの資金が必要です。資金に余裕が無ければ、離婚ができて安心したのも束の間、すぐに生活が困窮してしまうことも少なくありません。

離婚後の生活資金に困らないためには、配偶者との離婚協議の際に請求する内容と金額を、しっかりと取り決めておくことが大切です。

しかし、配偶者から自分や子供の身の安全を守るため、お金に関する請求よりも離婚することを最優先に考えているかたもいらっしゃると思います。その場合は、離婚協議の時にお金に関する請求をしなくても、後から請求できるのでご安心ください。

ただし、離婚した後にお金に関する請求をする場合、期間が決まっていることがあります。期間を過ぎてしまうと、請求してもお金を受け取れる確率が低くなります。離婚した後の新たな生活を、金銭的に余裕のある状態で過ごすためにも、離婚した相手に請求できる内容と期限を確認しておきましょう。

1.離婚後の生活資金を確保する方法

離婚した後に、相手に請求できるのが「財産分与」と「慰謝料」です。
離婚するときには、相手と早く別れたい気持ちで焦ってしまい、取り決めをしていなかったとしても、後から相手に請求をすることで受け取ることができます。

(1)慰謝料

離婚に至った原因が、配偶者の不倫や借金、DVなど精神的または肉体的に苦痛を伴ったものであれば、相手に慰謝料を請求できる場合があります。慰謝料は、離婚が成立した後であっても請求できるため、離婚協議で金額を取り決めておく必要はありません。

離婚した後に慰謝料を請求する方法は、「内容証明郵便」と「裁判」の2つがあります。

最初に行うのは、内容証明郵便による慰謝料の請求です。郵送する書類に慰謝料を請求する意思、金額、期限などの内容を記載して相手に送ります。郵送後、相手が内容証明郵便の内容を確認し、請求に応じれば慰謝料を受け取れます。

ただし、内容証明郵便には法的な効力がないため、相手が書類を確認しても慰謝料の請求に必ず応じるとは限りません。

内容証明郵便での慰謝料の請求に相手が応じなかった場合、次に慰謝料を請求するための裁判を申し立てます。裁判による判決で慰謝料の請求が認められれば、相手が支払いを拒否しても、給料の差し押さえなどの強制執行を行い回収することができます。

離婚による慰謝料の請求ができるのは、離婚が成立した日から3年以内です。離婚が成立した日から3年以上経過すると時効が成立するため、慰謝料を請求しても相手が支払ってくれる可能性は低くなります。

慰謝料の時効は、内容証明郵便や裁判で慰謝料の請求をすることで、中断することや初めからやり直することができます。たとえば、内容証明郵便で慰謝料の請求をすることで、相手が応じなくとも時効が成立するまでの期間を6か月間止めることができます。

また、裁判で慰謝料の請求をすれば時効がリセットされるので、離婚が成立してから2年10か月経過していた場合でも、裁判を申し立てれば時効は再び残り3年間となります。

そのため、時効が近づいてきた場合でも、対策をすることで時間の猶予ができます。

内容証明郵便や裁判で慰謝料を請求する場合には、相手との協議が必要になることがあり、専門的な知識が求められるので、弁護士に相談することをおすすめします。

(2)財産分与

婚姻中に夫婦が築いた財産は、財産分与をすることで離婚する際にお互いで分け合うことができます。財産分与は、離婚の原因に関係なく相手に請求できます。離婚した後でも請求することができるため、離婚協議の際に取り決めておく必要はありません。

財産分与の対象となる資産は下記のものが該当します。

  • 現金
  • 預貯金
  • 土地や建物
  • 有価証券
  • 生命保険金

財産分与の按分割合は、一般的には夫婦で2分の1ずつです。婚姻中に購入した財産であれば、名義が配偶者であっても財産分与の対象です。

離婚後に財産分与を請求するには、裁判所への申し立てが必要です。裁判での判決で財産分与が認められることで、相手からの支払いを受け取ることができます。

ただし、財産分与を請求できる期間は、離婚が成立した日から2年間です。期限を過ぎると請求することができないため、期限内に財産分与の請求をしましょう。

2.離婚後に子供の親権者になった人が生活資金を確保する方法

離婚の際、子供の親権者となった人は、離婚協議の際に相手と養育費の取り決めをしていなかったとしても、離婚後に請求することができます。夫婦が離婚した後も親子関係は解消されないため、子供が未成年のうちは親権の有無に関わらず、扶養義務があるからです。

養育費は、子供が成人になるまでの間であれば、相手に請求することができます。養育費を請求する方法は、離婚後にお互いで話し合いをする他、裁判所に申し立てる方法があります。

養育費が受け取れるのは、離婚する際に養育費の取り決めをしていなければ、請求が認められたときからです。過去に遡って養育費を請求しても、受け取れる確率は低くなります。

ただし、離婚協議の際に養育費の取り決めをしていたのにも関わらず、途中で支払いが滞っている場合には、未払い分の請求することが可能です。

未払い分の養育費の金額が多ければ、相手が支払いを認めにくくなります。そのため、養育費の催促をしたやり取りを証拠として残しておくなどの対策を取っておいたほうがよいでしょう。また、裁判で争う際には、専門の知識が必要になるため、弁護士に相談することをおすすめします。

3.一時的に自治体の貸付制度を活用する

慰謝料や財産分与、養育費の請求をしても受け取るまでに時間がかかってしまうことがあります。受け取るまでの間に、子供の進学などでまとまった資金が必要な場合には、自治体の貸付制度を利用することも検討してみましょう。

たとえば、東京都江戸川区では、ひとり親家庭に対して「母子及び父子福祉資金」と「母子福祉生活一時資金」の2つの貸付制度を用意しています。

母子及び父子福祉資金では、資金の用途が事業開始資金、事業継続資金、技能習得資金、修業資金、就職支度資金、医療介護資金、生活資金、住宅資金、転宅資金、結婚資金、修学資金、就学支度資金のいずれかであれば、無利子または年1%で借りることができます。

償還期間は、3年~20年と資金によって変わります。

また、母子福祉生活一時資金では、災害・疾病・冠婚葬祭などの急な出費があれば、限度額15万円として無利子で借りることができます。返済期間は、借りた月の翌月から20か月以内ですが、借りるための保証人は不要です。

お住まいの自治体によって制度は変わりますが、銀行や消費者金融のカードローンより、金利が安いため、離婚後の一時的な資金不足の際は活用を検討してみてもよいでしょう。

4.まとめ

慰謝料や財産分与、養育費は、離婚をした後でも相手に請求することができます。離婚するときに取り決めをしていなかったから…と諦めていた人は、思い切って相手に請求をしてみましょう。
期間内に請求すれば、まとまった資金を受け取れる可能性があります。相手との話し合いや、裁判を起こすための準備に不安がある人は、弁護士の無料相談を利用してみましょう。

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