2020.01.27 法律コラム

離婚するときに決めておきたい年金分割とは?仕組みと申請方法を解説

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夫婦が離婚する際、話し合っておくべきことの一つに年金分割があります。

年金分割申請することで、婚姻中に夫婦が支払った年金の一部を離婚時に分け合うことができます。そのため、婚姻中の年金支払い額が配偶者よりも少なかった人は、年金分割をすることで、配偶者が支払った年金の一部を自分の年金にすることができるのです。

しかし、年金分割をせずに離婚してしまうと、婚姻中に支払った年金額が少なくなるため、老後の年金受給額が減ってしまいます。また、年金分割は離婚が成立した日から一定期間経過すると申請できなくなるため、離婚する際は、年金分割に関する知識を入れておくことが大切です。

ここでは、年金分割の仕組みと申請する方法について解説します。

1.年金分割とは

年金分割とは、婚姻中に夫婦が支払った年金の一部を離婚時に分割する制度です。年金分割をすることで、婚姻中に夫婦が支払った年金の記録を分け合うことができます。

年金分割は、夫婦が支え合って共同生活を営んできたのに、離婚した後、婚姻中に支払った年金額によって、老後に受け取る受給額が違うのは不平等になるという観点から平成19年に運用されました。

年金分割をすることで、夫婦のうち年金分割を受けた側は老後に受け取れる年金額が増えますが、年金分割をした側は老後に受け取れる年金額が減ることになります。

(1)年金分割で受け取れる金額

年金分割の対象になるのは、年金のうち厚生年金の部分だけです。国民年金(基礎年金)や厚生年金基金に支払った金額は対象外です。また、企業や個人で加入している確定拠出年金も年金分割の対象に含まれません。

さらに、年金分割できるのは婚姻中に支払った厚生年金のみです。婚姻前に支払った年金は年金分割の対象外です。

年金分割の按分(あんぶん)割合は、上限が50%となっています。50%以下であれば、夫婦の話し合いによって自由に決められますが、按分割合は上限の50%にすることが一般的です。また、離婚する際、夫婦のどちらか一方が有責配偶者であっても、年金分割の按分割合は変わりません。

(2)年金分割が出来ない場合

年金分割は、夫婦が婚姻中に支払った厚生年金が対象になるため、配偶者が国民年金に加入している場合は、年金分割をすることができません。
そのため、配偶者が自営業者や農業従事者などで国民年金しか納めていない状態だと、年金分割をするための記録がないので、年金を分け合うことができないのです。

また、年金分割をした場合でも、年金分割をした側が年金の支払い期間を25年以上継続しなければ、年金が受給されないため、年金分割を受けた側も年金分割を受けた分を受給されなくなってしまいます。

2.年金分割の種類

年金分割には、合意分割と3号分割の2種類があります。合意分割とは、ここまで説明をしてきた年金分割の方法です。合意分割では、夫婦が婚姻関係にあった全ての期間で支払った厚生年金額を離婚時に分け合います。按分割合は夫婦間の話し合いで決めますが、話し合いで決まらない場合は調停や裁判で決定します。

一方で、3号分割は、第3号被保険者※が申請をすれば、配偶者の合意が無くとも分割割合50%で自動的に年金分割される制度です。ただし、3号分割の対象となる期間は、平成20年4月以降に第3者被保険者になっていた場合のみです。それ以前に年金分割の対象となる期間がある人は、合意分割をしたほうが年金分割で受け取れる年金が多くなる可能性があります。

また、3号分割は事実婚でも請求ができます。婚姻関係がなかったとしても、第3号被保険者であることの証明ができれば、3号分割の請求ができます。

※会社員や公務員など厚生年金保険の加入者(第2被保険者)の扶養に入っている配偶者のこと。

3.年金分割をする方法

年金分割をするにはどのような手続きを行えばよいのか説明していきます。

(1)情報提供通知書を請求する

年金分割をするためには、必要な情報がまとめて記載された「年金分割のための情報提供通知書」という書類が必要になります。

情報提供通知書を請求するには、「年金分割のための情報提供請求書 」を作成し、年金事務所に提出します。

情報提供請求書の提出する際、他に下記の書類を一緒に提出します。

  1. 請求者本人の国民年金手帳、年金手帳または基礎年金番号通知書
  2. 婚姻期間等を明らかにすることができる市町村長の証明書または戸籍の謄本若しくは抄本
  3. 事実婚関係にある期間に係る情報提供を請求する場合は、世帯全員の住民票の写し等

引用:日本年金機構

情報提供通知書の請求は、夫婦2人分を同時にすることもできますし、夫婦のどちらか一方だけにすることもできます。

請求してから一週間ほどで、「年金分割のための情報提供通知書」が郵送されてきます。

(2)年金分割についての話し合い

情報提供通知書が交付されたら、夫婦で年金分割の条件について話し合います。話し合う内容は、「年金分割の請求の有無」と「分割する場合の按分割合」についてです。

年金分割の話し合いをどのように進めればいいか分からない人は、事前に弁護士に相談しておきましょう。離婚案件を多く扱う弁護士に相談することで、的確なアドバイスを受けることができるため、話し合いをスムーズに進められる可能性が高くなります。

夫婦の話し合いで合意が取れたら、年金分割と按分割合について合意したことが分かるように、条件が記載された用紙に自署をしてもらいましょう。

(3)年金分割の請求手続き

最後に年金事務所に年金分割の請求手続きを行います。請求手続きを行うには、下記の書類を年金事務所に提出する必要があります。

  • 標準報酬額改定請求書
  • 年金分割に合意したことが分かる書類
  • 請求者本人の国民年金手帳、年金手帳または基礎年金番号通知書
  • 婚姻期間を証明するための書類(戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の全部事項証明書など)

請求書の書き方や、必要な書類を用意するのが不安な人は、年金事務所の担当者に確認してもらいながら手続きを進めることをおすすめします。

(4)夫婦の話し合いで年金分割の合意が取れなかった場合は調停や裁判を申し立てる

年金分割や按分割合について、夫婦の話し合いで合意が取れなかった場合は、調停を申し立てることができます。さらに、調停でも決まらない場合は、裁判をすることで判決によって按分割合が決められます。裁判を行った場合、判決で決まる按分割合は、ほとんど上限の50%です。

按分割合を求める調停や裁判を申し立てられるのは、離婚が成立した翌日から2年以内です。期日を過ぎてしまうと申し立てることができなくなるため、確認しておきましょう。

4.まとめ

離婚する際、慰謝料や財産分与、子供の養育費などの請求に目が行きがちですが、年金分割の請求もしっかり行っておきましょう。婚姻期間が長ければ長いほど、年金分割をすることで将来受け取れる年金額が多くなるため、老後の生活資金に役立てることができます。

年金分割の請求や、按分割合についての夫婦の話し合いで悩んでいる人は、弁護士の無料相談を利用してみましょう。

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