公開日:2020.01.14 最終更新日:2020.06.11 離婚

離婚した後はすぐに再婚できない?再婚禁止期間と再婚するときの手続きについて解説

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夫婦の離婚が成立して婚姻関係が解消すれば、別のパートナーと再婚して新たな生活をスタートすることができます。ただし、離婚が成立した後に女性が再婚する場合、一定期間の再婚禁止期間が定められているため、すぐに再婚することができません。

さらに、再婚時に子どもがいる場合の手続きや、再婚したことを前配偶者が知ることができるのかなど再婚についての悩みは多く存在します。

ここでは、離婚後に再婚する場合の手続きについて解説します。

1.離婚してから再婚できるまでの期間

夫婦が離婚した場合、男性側は離婚成立後すぐに再婚することができますが、女性側は離婚が成立した日から100日間は再婚することができません。女性だけに再婚禁止期間があるのは、民法第733条によって下記のように定められているからです。

民法第733条
女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
引用: e-Gov法令検索

女性のみに100日間の再婚禁止期間が定められているのは、離婚後すぐに再婚した場合、生まれた子の父親が誰か分からなくなってしまうことを防ぐためです。

民法772条では、離婚が成立した日から300日以内に生まれた子どもは、婚姻中に妊娠したと推定されるため、前夫の子となることが定められています。つまり、離婚成立後に女性がすぐに再婚して妊娠すると300日以内に出産する可能性があるため、生まれた子が仮に再婚相手の子だったとしても、法律上は前夫の子となってしまうのです。

しかし、離婚が成立した日から100日間の離婚禁止期間があれば、残りの200日以内で妊娠から出産までを行う確率は低いため、再婚相手の子だと判断される確率が高くなります。

このように、生まれた子の父親が誰なのかを判断できるように、女性のみに再婚禁止期間が定められているのです。

(1)再婚禁止期間内に再婚したらどうなるのか?

再婚禁止期間中は婚姻届けを提出されても受理されないため、婚姻は成立しません。

万が一、婚姻禁止期間に提出した婚姻届けが受理された場合でも罰則はありませんが、離婚が成立した日から300日以内に子どもが生まれた場合は、前夫の子となるので注意が必要です。

前夫の子から再婚後の夫の子にするためには、裁判所で親子関係を否定するための嫡出否認の手続きを、子どもの出生後1年以内にする必要があります。嫡出否認の手続きは、子の父親からしかできないため、元夫に裁判所の申立てを依頼しなければいけません。

子どもが生まれて1年以上経過しても嫡出否認の手続きをしなかった場合、その後父子関係を否定することができなくなってしまいます。

(2)再婚禁止期間が適用されない例外

再婚禁止期間は、条件を満たすことで例外として適用されない場合があります。

再婚禁止期間が適用されない条件には下記のようなものが該当します。

  • 離婚後の妊娠検査で妊娠してないことが確定している
  • 年齢的に妊娠が難しい
  • 子宮を全摘しており妊娠の可能性が低い
  • 離婚する時点で妊娠が確定している

再婚禁止期間は、生まれてくる子どもの父親を特定するのが困難になるのを防ぐために制定された法律です。そのため、離婚時に女性が妊娠していない、または妊娠する確率が低いことが証明できれば、離婚が成立した日から100日以内でも再婚できます。

ただし、再婚禁止期間内に再婚するには、例外を証明するため、医師による診断書が必要になります。

2.再婚したときに自分の子供の戸籍を移す手続き

自分と再婚相手がお互いに独身であれば、婚姻届けを役所に提出して受理されるだけで婚姻関係を結ぶことができるため、とくに複雑な手続きはありません。また、子どもがいる場合でも、筆頭者の戸籍に入っていれば、再婚しても特別な手続きは必要ありません。

しかし、子どもの親権を持つ親が再婚した際、再婚相手の戸籍に入る場合には手続きが必要になるため確認しておきましょう。

(1)再婚しただけでは子どもの戸籍は移動しない

子どもの親権を持ち、同じ戸籍に入っている親が再婚すると、親は再婚相手の戸籍に入ります。しかし、子どもの戸籍は移動しないので、再婚したあとの親とは別の戸籍になってしまいます。

子どもが再婚相手の戸籍に入るためには、役所に入籍届けの提出が必要です。入籍届けを提出することで、親権を持つ子どもを再婚相手の戸籍に移すことができます。

(2)親子関係を成立させるには養子縁組を結ぶ

再婚相手と婚姻関係が成立しても、「親権を持つ自分の子どもと再婚相手」または、「再婚相手の子どもと自分」の間に親子関係は自動的に成立しません。再婚した後に親子関係を成立させるには、養子縁組を結ぶ必要があります。養子縁組とは、血縁が無くても親子関係を成立させる制度です。

子どもと養子縁組を結ぶことで、養親となり親子関係が成立するため、子どもの扶養義務と相続権が発生します。そのため、養親になると、養子の経済的支援を行う義務や養親が死亡したときには、実子と同じように遺産相続を受け取ることが可能です。

子どもと養子縁組を結ぶ場合は、再婚した後に、養子縁組届を提出して、受理されれば成立します。費用はかかりません。ただし、養子縁組を結ぶには、再婚した後の夫婦両方の同意が必要です。どちらか一方だけの意見だけでは養子にできないので注意しましょう。

■養子縁組を結ぶと実親から養育費の減額請求されることがある
養子縁組によって養親との間に親子関係が成立しても、実親と子どもの親子関係が切れるわけではありません。そのため、子どもの扶養義務を持つ実親からの養育費はもらい続けることができます。

ただし、養子縁組を結ぶと、実親から養育費の減額を請求されることがあります。養育費の減額が双方の話し合いで解決しない場合には、調停や裁判に発展することもあり、新しい世帯での養育ができると判断されると養育費の減額が認められることもあります。

3.再婚したことは相手に知られる?

離婚が成立すると夫婦の婚姻関係が解消されるだけでなく、戸籍も離れます。そのため、離婚成立後の夫婦は他人になるため、元配偶者であったとしても相手の戸籍を請求して再婚したかどうかを探ることはできません。

しかし、夫婦に子どもが居た場合、離婚が成立しても親子関係は解消されないため、親権を持たない元配偶者でも実子の戸籍抄本を取ることができます。実子の戸籍抄本を確認できれば、元配偶者に再婚したことや今住んでいる住所が分かってしまうため、隠すことはできません。

ただし、元配偶者からDVや児童虐待などの被害を受けていた場合には、役所にDV等支援措置を申請することで、加害者へ戸籍の閲覧制限をかけることができます。閲覧制限は、加害者と同じ住所に住んでいる人へも適用されるため、戸籍の内容が元配偶者に知られる確率を下げることができます。

4.まとめ

新しいパートナーと再婚をして共に人生を歩んでいくときに、前配偶者との子どもに支払う養育費の負担が大きい場合には、養育費の減額交渉することができます。養育費の減額交渉が個人では難しいときは、弁護士に相談してみましょう。

弁護士に相談することで、養育費の算定や元配偶者との交渉をスムーズにすすめることができます。

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